【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
プロスポーツクラブはどう生きる?
クラブの発展こそがリーグの基礎だ。
posted2018/12/20 16:30
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph by
CHIBA JETS FUNABASHI
日本全国各地には、現在、数多くのプロスポーツクラブが存在しています。大企業が「親会社またはオーナーや責任企業」となって地域に根ざす努力をしているクラブと、地域から誕生し大きな親会社を持たず独立採算型の経営を行うクラブに分けられます。
前者はどちらかといえばJリーグやVリーグのクラブに多く見られ、Bリーグのクラブはほとんどが後者のタイプだと思います。
実は前者の場合は、大企業の持つ有力実業団チームが株式会社として分社化したプロスポーツクラブだったりするので、必ずしもその土地に根づいた地場の会社とは限りません。
しかし、スポーツ界でM&Aが起こることや、地場でない会社がクラブの「親会社またはオーナーや責任企業」になることは当然あり得ることで、どこでも起きていることです。
ただし、クラブを運営していくにあたって土着的な要素は無視できず、M&Aによってプロスポーツクラブの「親会社またはオーナーや責任企業」になるのであれば、それらを重々理解し、クラブ運営を行うにあたって地域と密着していく意志を徹底的に示していくことが、絶対的に必要といえると思います。
そういった姿勢が見えなければ、地域、ファン、スポンサー、そしてクラブが立地する地方自治体の行政とのリレーションにおいて長期的に問題が起こる可能性があります。それはオーナーがいわゆる、よそ者だから……という印象を与えるからです。つまり、真の地域密着なんて到底実現できるわけがないのです。それだけにオーナーシップの在り方が、クラブの経営、運営を大きく左右するというわけです。
親会社の存在は一長一短。
「親会社またはオーナーや責任企業」からバックアップを受けられるクラブは、組織構造的に考えると、企業努力をしなくてもスポンサードが売上における高い割合を占め、それが経営の大前提になる事が多々あります。
逆にそれがない地域で誕生した独立採算型クラブは、大袈裟に言えば、自分たちが失敗したら簡単に潰れてしまうという危機感をもってクラブ運営を行っているので、いやがおうでも、地域への展開、ファン獲得、スポンサー収入、行政との連携に関して、必死になって取り組んでいます。