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「史上最年少王者」誕生への期待。
“新しいノアの顔”清宮海斗の挑戦。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/12/05 16:30
GHCヘビー級王座を果たして戴冠できるかどうか……22歳の若武者に三沢光晴以来の伝統がのしかかる。
リーグ戦で思わぬ苦戦も。
「1回体を大きくしたんですけれど、ノアのリングでは合わないな、と思って少し絞った」
こうして奮起して臨んだグローバルリーグ戦だったが、苦しい戦いが続いた。
初戦で杉浦を返し技で押さえこんで1勝したものの、樋口和貞、小峠篤司、そしてコーディ・ホールと3連敗。
2016年は0勝7敗。今年もダメかと思われたが、ここからモハメド・ヨネ、潮崎、マイバッハ谷口をタタイガースープレックスホールドでフォールして3連勝。通算4勝3敗で優勝戦にコマを進めた。
運とみんなの支えで優勝できた。
「すごく厳しいリーグ戦だったけれど、運も味方してくれたかな。自分の力だけで上がって来れたわけじゃない。
みんなの支えがあってここまで来れた。こうやってトロフィーを抱えている自分が信じられない」
優勝トロフィーを手にした清宮は息が弾んでいつになく興奮気味だった。
11月25日の後楽園ホールでの優勝戦では、Aブロック首位通過を決めていた丸藤正道との試合が予定されていた。だが、丸藤は試合前々日、左大腿筋断裂というアクシデントに見舞われて、優勝戦欠場を余儀なくされた。
代わって、優勝戦進出者決定戦を勝ち上がった中嶋勝彦が清宮との優勝戦に出場した。
中嶋のキックは強烈だった。
「(中嶋は)殺気にあふれていた。このままダメになっちゃうと何度も思ったくらい殺気が迫ってきた」