濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「立ってるだけで映える」173cmの“闘うグラドル女優”後藤智香がリングで見せる“華”と野心「四方から見てもらえるのがとにかく嬉しい」
posted2022/12/01 11:01
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
後藤智香の、今のところの最大の魅力はリング上で“映える”ことだ。強い弱い、技術のあるなしと同じくらい、それは大事なことだと言っていい。
彼女はアクトレスガールズ所属。役者やアイドルなど芸能界から人材を発掘してきた団体だ。「もっと売れたい」、「人前で表現がしたい」という若者のエネルギーは強烈なもので、アクトレスガールズは安納サオリ、なつぽい、中野たむ、ひめかといった人気選手を輩出している。それだけプロレスの虜になり「プロレスで名を上げたい、頑張りたい」という気持ちになった選手が多いのである。
後藤も芸能界で「泣かず飛ばず」だったそうだ。高校を卒業してからは介護の仕事に加え結婚式場でも働いていた。
「22歳まで普通に働いてました。でも周りで結婚、出産する人が多くて。そうなると自分だけの人生じゃなくなるんだなって。それで、やりたいことをやるなら今だと思ったんです」
目指したのは演劇の世界。なかなか芽が出ない中でグラビアにも挑戦することにした。
「もともと興味があったんです、グラビア。見るほうですけど。可愛い女の子を見るのが好きで(笑)」
グラビアの世界から、アクトレスガールズへ
173cmの長身もグラビアで活きると思った。昨年は「ミスFLASH」のファイナリストに。ここからもう一歩、上に行くために「武器」がほしかった。仕事は撮影会モデルが中心だったが雑誌やDVDにも進出したい。舞台の経験も積みたい。そんな時に、舞台の共演者からアクトレスガールズに誘われた。別のところでも誘われ、さらに団体代表の坂口敬二にも熱心に勧誘された。
初めて練習に参加したのは昨年の12月。最初は「アクトリング」という公演に出るための練習だった。「アクトリング」はリングを使った演劇で、そのアクションシーンでプロレスの技が使われる。ただ「プロレスの練習」なのは間違いないから、最初はとにかく「痛いし怖い」という感覚だった。
「マット運動も一苦労で。倒立から難しいんですよ。受身も勇気が要りますね」