第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
「寄せ集めチーム」からの脱却なるか。
関東学生連合チームの見せる意地。
posted2018/12/18 10:45
text by
箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph by
Yuki Suenaga / Kiichi Matsumoto
関東学生連合チーム
<前回大会OP参加(21位相当)>
特色豊かなメンバーたち。
チームの核は4年生の頑張り。
文=別府響(文藝春秋)
「出るからにはやってやろうという気持ちはありますよ。ひとつでも上の順位を目指したいと思います」
今回の箱根駅伝で関東学生連合チームの指揮を執る麗澤大学の山川達也監督は、そう自身の意気込みを語った。
関東学生連合チームは2018年10月に東京・立川で行われた予選会で敗退した大学の中から、予選会の個人記録上位者を軸に選出されている。チームとしてはオープン参加で個人の記録も参考記録ではあるが、2017年には10区を走った東京国際大学の照井明人(現NDソフト)が区間1位よりも早い記録で走るなど、隠れた実力者も多い。また、なかなか普段の箱根路ではユニフォームを見ることができない大学のランナーも多く、箱根駅伝ファンからしても楽しみなチームのひとつだ。
最注目は東京大学の近藤。
そんな今季の関東学生連合チームで最も注目を集めるのは、東京大学の4年・近藤秀一だろう。近藤は東京大学所属ながら陸上競技でも一線級の実力を持つ文武両道ランナーとして、ファンの期待を背負ってきた。だが、これまで3度も関東学生連合チームのメンバーに名を連ねながら、直前のインフルエンザの影響で実際に箱根路を走ることは叶わなかった。それだけに、本人としても“四度目の正直”への想いは強い。
「予選会前は故障もあって走りきれるか不安でしたが、なんとか結果を出すことができました。ここをスタートにして練習を積んで、自信を持って本大会に臨めるようにできるといいと思います。まだまだ満足はしていませんし、これからは上がっていくだけなので、自分自身に期待しています」
今回はインフルエンザの予防接種も2回打って、万全の態勢で本番を迎えるつもりでいるという。フルマラソンで2時間14分13秒の記録をもつ近藤は、トラックでも各大学のエース級と遜色ない実力をつけてきた。チームに勢いをつける1区か、それともエース区間の2区か。いずれにせよ前半区間に投入できれば、いい流れを作ってくれるはずだ。