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井上尚弥にも階級の壁は存在する?
気鋭トレーナー3人が語る強さの核。
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byAFLO
posted2018/11/29 11:00
最近では、井上尚弥が苦戦する姿を想像することすら難しい。階級の壁も易々と突破してしまいそうだが。
2階級上ぐらいなら倒せる?
さて、今のところ苦戦する姿すら想像できない“モンスター”は、今後どうなっていくのだろうか。この先もし、限界が訪れるとすれば、その要因として階級アップが考えられる。
藤原トレーナーは井上でさえも「階級の壁」は必ず存在すると見ている。
「最近の例では、ローマン・ゴンサレスがフライ級からスーパー・フライ級に上げて、いきなり壁にぶつかりました。長谷川穂積くんもバンタムからフェザーにあげてチャンピオンにはなりましたけど、けっこうしんどかった。ああいう壁がどこかで来るのかなとは思うんです。
たとえば、井上選手がスーパー・フェザー級の一流どころ、全盛期の内山高志(昨年引退のV11王者)とやったらと考えると、ちょっと厳しいのかな、とも思うんです」
山田トレーナーも、石井会長も「フェザー級くらいまでは大丈夫」という意見で一致していた。いずれにしても現時点、バンタム級の段階で、3階級くらい上の猛者が出てこなければ、井上とまともに戦える選手はいない、というのが今回登場してもらった専門家の見方だ。モンスター・パフォーマンスはしばらく続きそうである。