第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
古豪・明治大学の復活はなるか?
初の連続出場、東京国際大学はシードを狙う。
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箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph byYuki Suenaga
posted2018/12/06 11:00
実績ある下級生の多さも魅力。
明治大学が楽しみなのは、高校時代から実績のある下級生が多いことだ。前田舜平(2年)は岡山・倉敷高時代に全国高校駅伝を制覇、前田自身も4区で区間賞を獲得している。
全日本の1区を任された鈴木聖人(1年)は、茨城・水城高出身で、昨年の全国高校駅伝ではエースの集う「花の1区」で区間5位の好走を見せている。
ポテンシャルの高い選手は多いのだが、駅伝での経験不足が悩みの種。昨年度、今年を通してチームとして駅伝を走ったのは、全日本の2回だけだ。
特に今年は予選会を無事通過したのち、全日本では経験と自信を得るためにも、8位以内に入ってシード権を確保したいところだった。全日本は4年生1人、3年生4人、2年生2人、1年生1人という若い布陣で臨み、7区終了時点では7位。しかし、最終8区で法政大学、城西大学に逆転を許し、特に8位の城西大学にはわずか8秒及ばない悔しい9位となってしまった。
肌で感じた駅伝の厳しさ。
レースが終わって、山本監督も複雑な表情を浮かべていた。
「正直、選手たちの走りを見て駅伝での経験とか、自信がないんだなと改めて気づかされました」
やはり、前回の箱根駅伝に出場していないことが、微妙な影響を今年のチームにも及ぼしている。
ただし、手ごたえも感じたと監督は話す。
「駅伝の中での争いを経験して、選手たちはその厳しさを肌で感じたんじゃないでしょうか。トラックとは違い、駅伝ならではの頑張りが必要だと分かったはずなので、それが全日本での収穫だと思いますし、これが箱根駅伝につながっていくと思います」
箱根駅伝で目指すのは、シード権の確保。経験不足は一朝一夕には克服できないが、山本監督はハーフマラソン、記録会を通して選手に自信を植えつけていきたいという。
古豪復活のカギは、選手たちが自分の力を信じられるかどうかにかかっている。
Mのプライドを取り戻せるかは、1日、1日の積み重ねにかかっている。