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エディー「ジャパンを痛めつける」
恩師お得意の心理戦に日本の反応は?
posted2018/11/17 09:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
AFLO
エディーさんの言葉が独り歩きしている。
「われわれは、ジャパンを“フィジカリー・スマッシュ”します」
肉体的に徹底的に痛めつけるという意味だ。
「祈りなさい。無事でいられるよう、お寺で祈りなさい」
今週土曜日、日本代表とのテストマッチを控え、イングランド代表のヘッドコーチ(HC)、エディー・ジョーンズ氏が関係者に話したとされる言葉だ。
面白いもので、キャッチ―な言葉は人を伝って広がっていく。木曜日に日本代表のメンバー発表があったが、イギリスのテレビ局のインタビュアーは会見に応じたCTBの中村亮土、WTBの山田章仁、FLの西川征克にジョーンズHCの言葉についてどう思うかを問い質していた。
中では山田が、
「この辺にお寺ないし」
と答えたのが笑わせたが、サントリーに入って1、2年目にエディーさんの指導を受けた西川が、
「半分冗談、半分本気ってところじゃないですかね」
と答えていたのが、的を射ていると思った。
さらりといなす感じがいい。ジョーンズ氏との付き合いの中で、身につけたものだろう。
史上初めて代表がラグビーの聖地に。
11月17日土曜日、ラグビー日本代表はイングランド代表の本拠地、トゥイッケナムで歴史的な一戦を迎える。
代表として史上初めてラグビーの聖地ともいうべきピッチに立つわけだが、ここで中身のある試合をしないことには、次にこのピッチに立てるのがいつになるかは分からない。
その意味でジェイミー・ジョセフHCをはじめとした首脳陣、スタッフがどんな計画に沿って準備をしてきたのかが問われる一戦となる。