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<波乱万丈人生を語る>
ジョアン・モレイラ
「マジックマンを救った奇跡の2勝と農耕馬」

posted2018/11/06 15:00

 
<波乱万丈人生を語る>ジョアン・モレイラ「マジックマンを救った奇跡の2勝と農耕馬」<Number Web> photograph by Satoko Imazu

text by

土屋真光

土屋真光Masamitsu Tsuchiya

PROFILE

photograph by

Satoko Imazu

“マジックマン”の異名を持つ世界的な名ジョッキーは、10月の毎日王冠を制すなど、日本でも力を発揮している。
 期待されながらも騎手免許試験は不合格となったが、彼はすでに未来を見据え、前へと歩き始めた。
 故郷ブラジルでの日々から逆境を跳ね返す原点を探る。

“マジックマン”ことジョアン・モレイラの快進撃が止まらない。今夏、日本で1カ月の短期免許を取得し、キーンランドカップでのJRA重賞初勝利を含む31勝と旋風を巻き起こした。この秋も日本に留まり、12月2週目まで騎乗を続ける予定だ。もちろん秋競馬の台風の目となりそうだ。

 そんなマジックマンも、実は常に順風満帆だったわけではない。以前、インを突くことの多い騎乗スタイルについて尋ねた際、「勝つチャンスを掴むための落馬のリスクなんて、これまでの人生の苦労と比べれば些細なこと」と話していた。どれだけの逆境と試練が彼にそう思わせたのか。

 ブラジル南部の地方都市クリチバ出身のモレイラは、8人きょうだいの末っ子として産まれた。一家はそれほど裕福ではなく、木造の小屋で暮らしていた。モレイラが7歳のとき、状況が暗転する。父親がこの世を去ってしまったのだ。

「この状況だけを聞けば、ピンチを乗り越えるために騎手になったと思われそうですが、そうではありません。この状況から抜け出せたのは、すでに社会に出ていた兄や姉たちのおかげでした」

 しかし、父の死が、図らずも騎手を目指す遠因になったことは間違いない。

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秋競馬。王者の挑戦状

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