フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ヘルシンキGP圧勝の羽生結弦。
4アクセルへの、新たな挑戦。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2018/11/07 16:30
左から、2位のミハル・ブレジナ(チェコ)、優勝した羽生結弦、3位のチャ・ジュンファン(韓国)。
しがらみに関係なく好きな曲を。
この2つは、羽生が若い頃に影響を受けた、尊敬する2人のスケーターへのトリビュートとして選んだのだという。
「オリンピックが終わってある意味解放されて、自分がしがらみも関係なく滑りたいと思った曲を使っています。小さい頃の自分が見たら、嬉しいだろうなというプログラム」と、SP後の会見で羽生は語った。
トリビュートで入れた動きも。
振付の中で、意識をしてトリビュートとして取り入れさせてもらった動きもあるという。SPの『秋によせて』については、こう説明する。
「ジャンプの降りた姿勢とか、曲とジャンプのマッチしているところ……今日のコンビネーションスピンの中に入っていた『シットフォワード(屈んだ姿勢で前にフリーレッグを出し回るスピン)』で腕を使ったりするところも、彼からすごくインスパイアされてぼくはこういうふうにやるようになりました」
またフリーのほうでは、「コレオシークエンス(後半のステップの部分)のところのイナバウアーで、手をいつもと違って変形させているところが、彼(プルシェンコ)のプログラムのトリビュートとしてやっている。他にも色々あるんですが、見つけていただいたら嬉しい。見つけていただけるように、クオリティを上げたいと思います」
こうした遊び心があるプログラムを滑る余裕ができたのも、五輪連覇を成し遂げて、肩の荷がおりた今シーズンだったから可能だったのに違いない。