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ドジャース“マン振り野球”の中で
マエケンの好守にプロの技を見た。
posted2018/11/03 11:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
114回目のワールドシリーズはレッドソックスが4勝1敗でドジャースを破り、5年ぶり9回目のワールドチャンピオンに輝いた。21世紀に入ってから4回目の世界一はジャイアンツの3回を抜き最多となり、この間の成績は16勝3敗となった。8割4分2厘の勝率はまさに驚異的と言える。
今回のシリーズを全米テレビ中継したFOXスポーツの解説者ジョン・スモルツ氏は感想を問われこんな言葉を残した。
「レッドソックスは素晴らしい野球をしたね。アレックス・コーラ監督の戦術、選手掌握力はともに優れていた。ドジャースはナ・リーグチャンピオンに相応しい野球ではなかった」
現役時代に通算213勝と154セーブを挙げ、野球殿堂入りも果たしたレジェンドが嘆いたナ・リーグチャンピオンに相応しくない野球、それはドジャースの攻撃を指していた。
実況が繰り返す「Big Swing」。
第3戦。18イニング、7時間20分の戦いはともにシリーズ史上最長となった。戦う選手たちは最後まで全力を尽くし、まさに死闘を演じたと感じるが、ドジャース攻撃陣のアプローチは昨今のメジャーリーグの野球を象徴していた。
「Big Swing!」
FOXスポーツで実況を担当したジョー・バック氏はドジャースの攻撃中にこの言葉を繰り返した。バック氏は親子2代に渡るスポーツ実況アナウンサー。アメリカで最も上手なテレビ・スポーツ・アナウンサーの評価もある。
その彼が「Big Swing!」と語り続けた意味は何なのか。直接的に批判する言い回しは避けたものの、何がなんでも本塁打狙いの“マン振り野球”に嫌悪感を抱いていたのは間違いない。