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ベレーザ、不満顔で4連覇を達成。
圧倒的に高い目標と控え目な監督。
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byTetsuro Kaieda
posted2018/10/30 16:30
女子サッカー界を引っ張り続けている日テレ・ベレーザ。なでしこリーグ4連覇はその象徴と言える。
ロティーナ監督から学び取り。
永田監督は、東京ヴェルディのロティーナ監督、イバンコーチの指導現場に足しげく通っている。だが、ポジショナルプレー、5レーン、ハーフスペースといった流行りのフレーズを自身が指導する際に使ったことはない。そこからエッセンスのみを抽出し、ベレーザのトレーニングに採り入れた。
「試合に向けて、トレーニングをどうやって構築していくのかという部分はとても参考になりました。要は、チームのために個人の有効なプレーをいかに増やせるのか。個がレベルアップしていくための取り組みが大事。そこにフォーカスしていくと、このクラブの哲学を生んだブラジルに行き着くんです。ブラジルのストリートサッカーに源流はある」
このように選手と同じく、永田監督もまた進化を渇望する。
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4連覇、ベレーザ史上タイに並んだ。圧巻の強さを見せつけ、ここに到達してなお、眼下に広がる見晴らしを眺めて悦に入る気はない。誰もが、その先に望む山々を見上げている。最高峰に挑む山登りは、道の終わりから始まるものだ。
不満顔の女王の戴冠。彼女たちが強いわけである。