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セナ、シューマッハー、ハミルトン。
鈴鹿GP予選に挑んだ最速の系譜。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2018/10/01 08:00
昨年の鈴鹿では、ハミルトンが予選で11年ぶりにコースレコードを破りPPを獲得した。
ライコネンにとって最高のレース。
だが、翌日のレースではだれもが想像していなかった劇的なドラマが待っていた。予選17番手からスタートしたマクラーレンを駆るキミ・ライコネンが、驚異的な追い上げを披露。ファイナルラップの1コーナーで、ルノーのジャンカルロ・フィジケラをアウトから豪快にオーバーテイクした。
「僕のキャリアで最高のレースのひとつ」と言うライコネン。今年はフェラーリで臨む最後の日本GPとなる。
その翌年の'06年には、皇帝ミハエル・シューマッハーが魅せた。PPこそチームメートのフェリペ・マッサに譲ったが、予選のQ2で叩き出した最速タイム、1分28秒954は当時のコースレコードを大きく更新。その後、10年間にわたって鈴鹿のコースレコードとしてだれにも破られることはなかった。
アロンソ、ハミルトンも会心の走り。
そのシューマッハーとこの年、タイトル争いを繰り広げたのがフェルナンド・アロンソだ。「僕にとって、鈴鹿での最高の思い出は、やっぱり、あの'06年。世界最高のサーキットで、最高の相手と素晴らしい戦いを繰り広げて、タイトルを大きく引き寄せたあのレースを忘れることはできない」(アロンソ)
すでに'19年はF1から離れることを発表しているアロンソにとって、今年の日本GPは鈴鹿での最後のF1となる可能性が高い。
昨年、1分27秒319というPPタイムを記録し、シューマッハーが持つコースレコードを11年ぶりに破ったのが、メルセデスのルイス・ハミルトンだ。今年の鈴鹿には、その記録を更新するためにやってくる。
「今年のマシンは総じて昨年より速くなっているから、鈴鹿のコースレコードも更新されることは間違いない。もちろん、最速の座を譲るつもりはない」(ハミルトン)