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田中将大はMLBでも負けない投手。
デビュー後5年連続12勝は5人だけ。

posted2018/09/20 17:30

 
田中将大はMLBでも負けない投手。デビュー後5年連続12勝は5人だけ。<Number Web> photograph by AFLO

楽天、ヤンキースと日米問わず勝利を積み重ね続けている田中将大。その安定感は過去の大投手に比類するものだ。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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「マー君、神の子、不思議な子」――野村克也(元東北楽天イーグルス監督)

 ヤンキースの田中将大投手は、「記憶に残る選手」でありながら、「記録に残る選手」でもあると思う。そしてメジャーリーグ5年目の今、彼自身がアメリカ各地のマウンド上で残す「結果」によって「記憶に残るメジャーリーガー」になりつつある。

 田中は9月14日の地元ニューヨークで、ブルージェイズを6回4安打無失点に抑えて今季12勝目を挙げた。メジャー通算64勝は日本人歴代で岩隈久志投手(マリナーズ)の63勝を抜いて単独3位である。上には通算123勝の野茂英雄と同79勝の黒田博樹がいるだけだ。

 5年連続2けた勝利はすでに、黒田と並ぶ日本人最多記録タイだった。メジャー・デビューからの5年連続2けた勝利は日本人初である。

 田中が凄いのは、「日本人」という枠を外した「メジャーリーグ」という枠組みの中でも、その記録が際立っている部分だ。

デビューから5年連続12勝以上。

 メジャーリーグ・デビューから5年連続で12勝以上を記録した投手。

 それは1950年以降、たったの5人しか存在しない。

 トム・シーバー(1967年から1971年)、デニス・エカーズリー(1975年から1979年)、ドワイト・グッデン(1984年から1988年)、左腕アンディー・ペティット(1995年から1999年)、そして、2014年にデビューした田中の5人だ。

 シーバーはメッツなどで活躍し、通算311勝を挙げて殿堂入りした名投手である。

 エカーズリーはインディアンス時代に先発投手としてデビューしながら、アスレチックスの黄金期にはメジャー屈指の守護神となって通算197勝、390セーブを挙げ、やはり殿堂入りした名投手だ。

 グッデンはメジャー2年目に24勝を挙げてサイヤング賞を獲得。途中で薬物中毒(近年問題になっているパフォーマンス向上薬品ではなく、快楽系の薬物コカイン)や故障に悩まされて殿堂入りは逃したものの、一時代を築いた通算194勝投手である。

【次ページ】 名投手と田中の数字を比較すると。

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田中将大
ニューヨーク・ヤンキース

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