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田中将大はMLBでも負けない投手。
デビュー後5年連続12勝は5人だけ。
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ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2018/09/20 17:30
![田中将大はMLBでも負けない投手。デビュー後5年連続12勝は5人だけ。<Number Web> photograph by AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/d/700/img_6d47575e62f158c5e40260200abf539d95895.jpg)
楽天、ヤンキースと日米問わず勝利を積み重ね続けている田中将大。その安定感は過去の大投手に比類するものだ。
名投手と田中の数字を比較すると。
ぺティットはヤンキースが1998年からワールドシリーズ3連覇した時の主力で、こちらはパフォーマンス向上薬品の使用を告白したことがあるものの、日本では故・伊良部秀輝や松井秀喜、イチローらの元チームメイトとしても知られている通算256勝投手だ。
ため息が出るほど、錚々たる顔ぶれの中に、日本人投手がいる不思議。
シーバーやエカーズリーの時代は、「先発投手は完投して当たり前」の時代であり、投球回数が多いので勝ち星も負け星も自然と多くなる。5人の5年間の通算勝敗、完投数、イニング数をまとめるとこうなる。
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シーバー:95勝54敗、90試合完投、1379.1イニング(すべて5人の中で最多)。
エカーズリー:77勝50敗、60試合完投、1148.1イニング。
グッデン:91勝35敗、52試合完投、1172.2イニング。
ペティット:81勝46敗、14試合完投、1044.1イニング。
田中将大:64勝33敗、6試合完投(今季は1試合)、816.1イニング(9月19日現在)。
ただし、今は救援投手のイニング数が毎年のように増え続けている「救援投手の全盛期」だ。シーバーやエカーズリー、グッデンが活躍した頃とは考え方が大きく変わっている。またペティットが活躍した時代と比較しても先発投手の完投は極端に少なく、その一方で救援投手のイニング数が増えている。
完投数はメジャー全体でも減少。
たとえばペティットが最後に20勝投手(21勝8敗)となった2003年、メジャーリーグの先発投手はチーム平均で年間954イニング、救援投手は同490イニングだった。ところが昨2017年には、先発投手がチーム平均で893イニング、救援投手は同549ニングとそれぞれ60イニング近くも増減している。
だから今季の完投も今のところ、コリー・クルーバーとカルロス・カラスコ(ともにインディアンス)、左腕ジェームズ・パクストン(マリナーズ)とホゼ・べリオス(ツインズ)らが2試合で並んでいるのが最多で、田中の1完投が次点となっている。
またクルバーは過去5年で17試合を完投しているが、カラスコは8試合、経験の浅いパクストンやメジャー3年目のべリオスは今季の2完投がすべてだ。その事実を考えれば、田中の6完投も決して少なくない。