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大谷翔平と抜群の潜在能力。
トミー・ジョン手術は怖くない。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2018/09/15 11:00

大谷翔平と抜群の潜在能力。トミー・ジョン手術は怖くない。<Number Web> photograph by AFLO

9月7日の試合で19号3ランを放った大谷翔平。3試合連続本塁打は潜在能力の高さを象徴する。

もしトミー・ジョン手術しても。

 通常、移植した腱が靱帯に変わるまでには3カ月を要するといわれる。エンジェルスのポストシーズン進出はありえないから、9月下旬か10月上旬には右肘再建手術にとりかかることができる。

 だとすれば、年内と年初は安静としても、2019年2月中旬ぐらいから打撃練習は始動できるのではないか。巷間いわれるとおり、左打者の場合、打撃の際に負担がかかるのは(手術をする右肘ではなく)左の肘だ。専門医の発言を見ると、手術後4カ月半から5カ月経てば、バットを振りはじめても右肘に影響はないとされている。

 こうした事情を勘案すると、エンジェルスのGMビリー・エップラーが「大谷は二刀流選手だ」と繰り返す理由もはっきりと見えてくる。第一の理由は、24歳という若さだ。投球再開までに18カ月を要するとしても、25歳からの再出発はまだまだ遅くないし、他の身体機能も衰える齢ではない。

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 もちろん、手術がうまく行かず、ふたたび故障が発生するという最悪のケースも考慮しなければならないが、それでも彼の場合は、類い稀な打撃能力が残る。つまり運命がどう転ぼうと、球団側に損はない。ビジネスマンのエップラーは、このあたりも抜け目なく見ているはずだ。

 実際の話、ここまで傍証を掲げたとおり、大リーグ1年目の大谷は、投打とも一級品の素材であることを証明した。新人王獲得の可否は投票する記者の価値観次第だが、万が一賞を逃したとしても、悔しがることはない。大谷の魅力は、なんといっても潜在能力の高さだ。健康な心身をキープし、学習を勤勉に積み重ねていけば、来季以降の伸びしろはまだまだ残されているにちがいない。

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