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「重賞レベルなら日本馬の方が上」
海外遠征の変化と武豊が語る評価。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2018/09/14 12:00
武豊騎手は、今週末のレースに向け、クリンチャーの最終追い切りを行なった。
韓国GIを連覇したロンドンタウン。
この日、韓国、ソウル競馬場で行われたのはコリアスプリント(ダート1200m)とコリアカップ(ダート1800m)の韓国GI、2競走。前者にはモーニン(牡6歳、栗東・石坂正厩舎)、後者にはロンドンタウン(牡5歳、栗東・牧田和弥厩舎)の日本馬がそれぞれ出走した。
モーニンは初めての1200m戦という事で序盤は流れに乗れず、後方からの競馬。外から被せられるレース展開にもなり、厳しい競馬を強いられた。それでも直線では一完歩ごとに前との差を詰めると、ゴール前では更にグイッとひと伸び。最後は頭差ではあったが、苦しい競馬を跳ね返し優勝してみせた。
また、ロンドンタウンはスタート後、ジョッキーの岩田康誠が押して先手を取りに行くと、序盤は2番手。しかし、終始手応えが違い、半マイルも行かないうちに我慢し切れないというか、我慢させる必要がないとばかりに先頭に立つ。すると後はモノの違いを見せつける競馬。3コーナー手前から徐々に開いた差は直線に入る頃にはもうセーフティーリードと言えるほど広がった。
直線では1頭になったせいかフラフラするシーンがあったものの、それでもゴールでは2着に15馬身差。勝ち時計の1分50秒6というのもレコードで、同馬は前年に続き2年連続でのコリアカップ優勝を成し遂げてみせた。
「去年は展開云々とか関係なく馬の能力差で勝てた感じ」とレース前に語っていた岩田だが、今年も全くその通りの結果が待っていたわけだ。
ジェニアルの仏遠征も同じだった。
思い起こせばこの夏にはフランスでも似たような事があった。
7月22日、メゾンラフィット競馬場で行われたGIII・メシドール賞(直線、芝1600m)に出走したのはジェニアル(牡4歳、栗東・松永幹夫厩舎)。同馬は日本では当時まだ500万下条件の身。遠征直前に走っていた1000万下条件では5着に敗れていた。
しかし、フランスではGI連対馬も出走するメンバー構成をモノともせず、見事にこれを勝ってみせたのだ。