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「重賞レベルなら日本馬の方が上」
海外遠征の変化と武豊が語る評価。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2018/09/14 12:00
武豊騎手は、今週末のレースに向け、クリンチャーの最終追い切りを行なった。
武が下級条件馬と伝えたら驚きが。
騎乗した武豊の弁によると、レース後のジョッキールームで現地の騎手達に「日本ではどのくらいのレベルの馬なんだ?」と聞かれ、下級条件である事を伝えると、皆、一様に驚いていたと言う。
ちなみに同騎手は常々「凱旋門賞などのトップクラスはともかく、GII、GIIIレベルなら日本の方が上だと思う」と語っていた。
これは実際に2006年に当時1000万下条件のピカレスクコートが同騎手を背にフランスでGII・ダニエルウィルデンシュタイン賞に出走し、2着していた事などからも感じていたのだろう。
さて、ここに記した韓国やフランスの例からも分かるように、遠征に於いて何よりも大切なのは結局のところ“馬自身の持つポテンシャル”なのだろう。
もちろん、あの手この手を施し、その馬に合う条件に良い状態で出走させる事は基本だが、どれだけベストで挑ませても馬自身の能力が劣るのではいかんともし難い。これに対し、能力差で優っていれば、表彰台はグッと近いものになるのである。
競馬であるから能力のある馬が必ずしも勝てるわけではないが、そんな視点で今週末、フランスで出走するクリンチャー(牡4歳、栗東・宮本博厩舎、GII・フォワ賞)や現地での連勝を目指しパン賞に走るジェニアルに注目したい。