ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
兄・尚弥と2人でバンタム級を制圧。
井上拓真が世界王座への挑戦権獲得!
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byKyodo News
posted2018/09/12 14:30
井上拓真と井上尚弥、世界のバンタム級をこの2人が占拠する日が現実に近づいている。兄弟対決、なんて可能性も……?
「小さいころから夢だった兄弟同時王者に」
現在WBCバンタム級は、山中慎介に勝利したルイス・ネリが計量失格で王座はく奪となって以降、空位が続いている。10月にようやく王座決定戦が行われ、この勝者がタイの選手と指名試合を行い、拓真の出番はその次という状況になっている。
拓真の挑戦は少し先になるかもしれないが、尚弥が賞金トーナメント、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級に出場していることで、井上兄弟が主要4団体のバンタム級を制する可能性が出てきた。WBSSにはWBCを除く3団体の王者が出場しており、尚弥がWBSSで優勝すれば3本のベルトを手に入れるからだ。
漫画みたいな話だが、尚弥がWBSSの優勝候補ナンバーワンなのだから、大いに可能性はあると言えるだろう。
試合を終えた拓真はリング上からファンに向かって力強く宣言した。
「これから課題を克服して、小さいころから夢だった兄弟同時王者になります!」
未完の大器は“モンスターの弟”という殻を破り、井上拓真としていま、大きく羽ばたこうとしている。