“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
裏抜けが生命線と理解してくれ!
瀬川祐輔が柏で口酸っぱく主張中。
posted2018/08/29 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
3勝2敗。この数字は柏レイソルの直近5試合の成績だ。そしてこれはFW瀬川祐輔がスタメン定着を果たしてからの数字でもある。
今季、大宮アルディージャから加入した瀬川は、第6節のサンフレッチェ広島戦で初スタメンを飾り、第13節のジュビロ磐田戦で今季2度目のスタメンを果たした。しかしそれ以降は、ずっとベンチスタートもしくはベンチ外だった。
その間チームも勝ち点を積み重ねられず、降格圏が近づいた。下平隆宏監督から加藤望監督に代わっても、結果が出ず第19節の湘南ベルマーレ戦まで今季ワーストのリーグ4連敗を喫していた。
だが第20節の北海道コンサドーレ札幌戦で、7戦ぶりスタメンの瀬川が流れを変える。42分にFW伊東純也のスルーパスに抜け出して移籍後初ゴールをマーク。2-1の勝利と連敗ストップに貢献した。
瀬川はそこから先発の座を掴みとると、第22節のFC東京戦では77分に右からのクロスを鮮やかなバイシクルシュートを叩き込み、貴重な決勝弾となった。
無得点でも柏の大勝を導いた。
そして迎えた第24節のV・ファーレン長崎戦。5試合連続先発の瀬川は無得点のまま69分に交代した。ただ柏が5-1で快勝した試合にあって、影のMVPといえるプレーを見せた。
最前線のクリスティアーノがサイドに流れる中で、トップ下の瀬川は中央にポジションを取って長崎の3バックを揺さぶった。DFラインの間を出入りし、クサビのパスを受けつつ積極的に裏へ抜け出したのだ。
この動きは長崎の3バックを押し下げ、中盤も間延びさせる効果があった。結果、バイタルエリアのスペースが空き、よりフリーでボールを受けやすい状況を作った。
21分にはドリブルで深い位置まで持ち込んだ小池龍太の折り返しに反応。シュートこそ相手DFが先に触れたが、流れたボールがクリスティアーノに渡り、同点ゴールが生まれた。
その3分後にも、長崎のCBヨルディ・バイスとの駆け引きで巧みさを見せる。ヨルディがあまりついてこないと確認しつつ、小池から足下へのパスを受けると、自ら作り出した背後のスペースを活用してのターンから右サイドを突破する。DFラインをゴール前まで押し下げてからフォローに来た伊東にパスを送るとフリーの小池にボールがつながり、最後はクリスティアーノのヘッドで逆転ゴールが生まれた。