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アイスリボン取締役にして現役王者、
藤本つかさが語る「女性とプロレス」。

posted2018/08/22 10:30

 
アイスリボン取締役にして現役王者、藤本つかさが語る「女性とプロレス」。<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

自身が普段使っているデスクの前の藤本つかさ。団体運営と選手の二役を見事にこなす。

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 藤本つかさは35歳の女子プロレスラーで、所属団体アイスリボンの頂点であるICE×∞のベルトを持ち、また取締役選手代表も務めている。松本都、星ハム子とともに今年デビュー10周年を迎え、8月26日には記念大会を横浜文化体育館で開催。アイスリボンが2年ぶりに進出する大会場だ。

 ファイトスタイルに華があるだけでなく、ハードな打撃技も藤本の持ち味だ。女子プロレスにおけるオールタイム・ベストの1人である豊田真奈美からはガウンと必殺技を受け継ぎ、引退試合の相手も務めた。プロレスが天職にも思えるが「最初は女子プロレスに“怖い”とか“血が出る”みたいなイメージしかなかったです」と藤本は言う。

 デビューのきっかけは映画出演だ。宮城県で生まれ育ち、地元の大学で教員免許も取得したが、就職のため初めて住んだ東京で芸能界の誘いを受けた。プロレスを題材にした映画『スリーカウント』のオーディションを受けたのも芸能活動の1つとして。出演の条件がプロレスデビューという企画で、藤本としては「単純に仕事として始めたんです、プロレスを。今となっては失礼な話ですけど」ということになる。

 受け身の練習は涙が出るほど痛かったが、とにかく映画に出るために耐えた。いざリングに上がってみると、歓声を浴びることに人生を変えられるほどの嬉しさを感じた。曰く「デビュー戦でこれはやめられない、やめたくないと思いましたね」。

アイスリボンの「ウェット」なプロレス。

 アイスリボンのキャッチフレーズは「プロレスでハッピー!」。藤本はそれを「プロレスからくる感情の動きすべて」のことだと広く捉えている。

「プロレスをやる幸せもあるし見る幸せもある。今日の試合、見れなくて悔しいなという気持ちだってプロレスに関わるもの。そういう気持ちすべてを大事にしたい」

 藤本は女子プロレス、とりわけアイスリボンの「ウェットなところ」が好きだそうだ。彼女にとってのリングは「誰もが持っている喜怒哀楽、それを抑え込まなくていい場所」なのである。

【次ページ】 藤本自身も、リングで涙を見せることが。

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