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御嶽海の優勝、その本当の価値は?
横綱大関が総崩れの「幸運と不運」。
text by
西尾克洋Katsuhiro Nishio
photograph byKyodo News
posted2018/08/08 10:30
入門からまだ3年、御嶽海の優勝は新時代の到来を告げるのだろうか。
上位陣が出揃った時に、真価が問われる。
ただ、御嶽海は一方で不幸な力士でもあると思う。大卒力士たちがここ数年で期待に応えられなかったため、御嶽海を見る目は必要以上にシビアになっている。
大卒力士に対する目がこれほど厳しくなければ、大相撲の枠を超える活躍ができたかもしれない。遠藤のようにお茶の間に浸透する存在になれた可能性もある。
三役で2桁勝てなかったことよりも、三役で勝ち越しを続けられるというポジティブな評価になったのかもしれない。そして、今回の優勝についても、より大きな感動を産み出すことができたのかもしれない。
時代に愛された御嶽海が世の中を巻き込むのは、これから先のことかもしれない。白鵬、鶴竜、稀勢の里、そして栃ノ心ら上位陣が出場する中で結果を出した時、御嶽海を見る目はどう変わるのか。千秋楽の豊山戦のような取組が出来れば、その日も遠くないのではないかと思うのだ。