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大谷翔平がトレードされる可能性は?
メジャーでよくある大型移籍の話。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2018/08/07 11:00

大谷翔平がトレードされる可能性は?メジャーでよくある大型移籍の話。<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平はロサンゼルスで愛されている。しかし、それとトレードの可能性はメジャーではまた別の話なのだ。

即戦力と若手、チーム状況によって価値は変わる。

 たとえばシカゴ・カブスは2016年の夏、当時19歳でメジャーから3階級も下の傘下のマイナー球団でプレーしていた「有望株」グレイバー・トーレス内野手ほか2名のマイナー選手と、すでにメジャーでプレーしていた救援のアダム・ウォーレン投手を放出し、救援左腕のアロルディス・チャップマン投手を獲得。

 108年ぶりのワールドシリーズ優勝を果たした。

 カブスが「メジャーリーグNo.1」の称号と引き換えに手放したトーレスは、今季21歳でメジャーデビューを果たして田中将大のチームメイトとして二塁の定位置を確保。昨季のリーグ新人王にして本塁打王でもあるアーロン・ジャッジ外野手や同じ新人のミゲル・アンドゥハー三塁手(今は故障者リスト入り中だが)らとヤンキース打線を引っ張っている。

 彼が現地8月2日時点で記録している17本塁打は、大谷の9本塁打を大きく上回るア・リーグ新人最多だ。

 トレード成立当時、チャップマンとヤンキースの契約は残り「2カ月」しか残っていなかった。そのオフにフリーエージェントになることが決まっていたので、チャップマンは実質的には「2カ月」のレンタルだったわけだ。

 もちろん、再契約の可能性は残されていたが、結局チャップマンはヤンキースに戻ることを決意。カブスはたった「2カ月」(とプレーオフの1カ月)のために「2018年のア・リーグ新人王の有力候補」を放出したことになる。

非凡な若手4人を出してまで獲ったキンタナ。

 カブスは連覇を目指した昨2017年の夏も動いた。やはり当時20歳でメジャーから4階級も下のマイナー球団でプレーしていた「有望株」イロイ・ヒメネス外野手、当時21歳でメジャーより5階級下のマイナーにいた「有望株」ディラン・シーズ投手ほか2名のマイナー選手を放出し、ホワイトソックスで50勝を挙げていた左腕ホセ・キンタナ投手を獲得。

 ナ・リーグ中地区2連覇を成し遂げたものの、ナ・リーグ優勝決定シリーズで今はチームメイトのダルビッシュ有投手に好投されるなどして敗退した。

 カブスがナ・リーグ優勝と引き換えに手放したマイナー4選手は、現時点でまだメジャーデビューを果たしていないが、ヒメネスは今季、21歳でメジャー目前のAAA級まで昇格し、打率.376、出塁率.423、長打率.693と非凡な才能を発揮。

 シーズ投手は今季、22歳でメジャーより2階級下のAA級まで昇格し、先発投手として6試合34回2/3を投げて49三振を奪うなどしてマイナーの月間最優秀選手に輝いている。つまり、カブスは「2年2カ月」(とプレーオフの3週間)のために「未来の主軸打者と先発ローテの1、2番手候補」を放出したことになる。

【次ページ】 Wシリーズ優勝という究極の目標のために。

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大谷翔平
ロサンゼルス・エンゼルス

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