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ハーパーの残留と終盤の叩き合い。
戦乱のナ・リーグで生き残るのは? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2018/08/04 08:00

ハーパーの残留と終盤の叩き合い。戦乱のナ・リーグで生き残るのは?<Number Web> photograph by AFLO

サマートレード締切から一夜明け、ホームで大勝した試合で喜ぶブライス・ハーパー。

不調とFA資格獲得の葛藤が。

 なかでも、最大の興味はハーパーに集まっていた。今季のハーパーは不調だ。本塁打25本こそリーグ3位だが、2割2分3厘の打率はキャリア最低だし、117三振もナ・リーグで3番目に多い。要するに粗さが目立つ。

 ただ、彼の潜在能力を否定する人は少ない。今季終了後、ハーパーはFA資格を獲得するのだが、25歳という年齢からいっても、つぎの契約は、10年総額3億ドルを超えると予想されている。

 ナショナルズは、これにどう対処するのか。ハーパーとの再契約をめざして、彼を手もとにキープするのか。それとも、袖にされることを見越していまのうちにトレードに出し、なんらかの見返りを求めるのか。だれもがそこで頭をひねっていたのだが、31日の昼前、リゾはワシントン・ポストの記者に対して「ハーパー放出せず」と宣言し、この問題に決着をつけたのだった。

 リゾは、「ハーパーだけでなく、ゴンザレスやエレーラ、マドソンらの投手陣も全員残留させる」と付け加えた。彼の狙いは、たぶんワイルドカードではなく地区優勝だ。当面の敵であるフィリーズやブレーヴスは、どちらも若いチームだけに、終盤戦のつばぜり合いで意外にもろい一面を見せないとも限らない。

無理な勝負は仕掛けないのでは。

 サマートレードの結果を見ると、フィリーズはオールスター捕手のウィルソン・ラモス('10~'16年はナショナルズ)を獲り、ブレーヴスは長距離砲のアダム・デュヴァル外野手やヴェテランの中継ぎ投手を何人か補強した。もちろん地区優勝は狙っているだろうが、無理な勝負は仕掛けないような気がする。いずれも長期的なチーム再建計画の途上にあるだけに、本気の優勝狙いはむしろ来年か再来年になる可能性がある。

 いずれにせよ、ハーパーの残留で、ナ・リーグ東地区の首位争いはますます混沌としてきた。いや、東地区だけではない。中地区では、カブスとブルワーズがたがいに一歩も譲らぬ戦いをつづけているし、西地区ではドジャースとダイヤモンドバックスの争いにロッキーズが割り込み、ほぼ横一線の戦いが繰り広げられている。

 あと2カ月という期間で、この混戦に決着はつくのだろうか。直線の叩き合いで、クビ差、ハナ差の大接戦になってもおかしくないような気配が漂っている。

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