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武豊を尊敬するジョアン・モレイラ。
マジックマンは通年免許を目指す!
posted2018/08/03 12:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
「コンニチハ!」
たどたどしい日本語で挨拶をする。それに続く言葉は全て英語だ。「日本語は勉強しているけど、難しい」と嘆く。
しかし、馬に跨ればどの言語を話すとか、ナショナリティーや肌の色などは関係ない事を証明してくれる。
ジョアン・モレイラ騎手は、そんな男だ。
7月28日の土曜日。短期免許を取得した彼は、札幌開催に参戦。この日、7レースで手綱を取ると、3勝、2着2回、3着1回。掲示板を外した(6着以下)のはわずかに1回だけという活躍を見せると、翌29日の日曜日は10鞍に騎乗し4勝、3着1回。掲示板に乗れなかったのはわずか2回だけだった。
最初は厩務員からのスタート。
世界中で“マジックマン”と呼ばれてきた彼は、現在、JRAの通年免許取得を目指している。
1983年9月26日、ブラジル生まれの34歳。生まれ育った家の近くで見た競馬に心を奪われて、ジョッキーになろうと思った。
「公式な競馬場ではなく、ダートコースでマッチレースをやるような、半ば遊びの競馬開催でした。でも、それを見て感動しました」
馬に対する知識は全くないまま競馬の世界に足を踏み入れた。もちろん目標は騎手だったが、最初は厩務員からのスタートだったという。
「馬は大きいし、正直、最初は怖いという印象が勝っていました。でも、大人しくて優しい生き物だったので、すぐに慣れました。当時、ブラジルでは騎手になれる人数に制限があったため、最初は厩務員になりました。間近で騎手を見るようになったら、なりたいと思う気持ちがますます強まりました」