フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
25歳での急逝にフィギュア界が衝撃。
カザフの星、デニス・テンの思い出。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2018/07/20 11:45
2人の恩師、エレナ・ブイアノワ(左)とタチアナ・タラソワと共に写るデニス・テン。
不調にあがいた競技人生後半。
テンはこの2016年世界選手権で11位に終わる。
腰、股関節、足首といくつも負傷が続いて、平昌オリンピック前は韓国に滞在して鍼治療などを受けていた。だが最後のオリンピックでは、SP27位となり決勝に進出できなかった。
2016年からは、ニコライ・モロゾフの指導も受けるようになり、ステファン・ランビエルにエキシビション用のプログラムを振付けてもらうなど、本人は不調を乗り越えるために様々なことを試みてきた。
平昌オリンピックを最後に競技引退の噂も流れたが、本人にはまだ続ける意志があり、今シーズンのGPシリーズにも出場が予定されていた。
訃報が配信された直後、アダム・リッポン、パトリック・チャン、長洲未来、ジェイソン・ブラウンなど、次々とスケーター仲間たちから追悼のツイッターが流れた。
25歳になったばかりで短い人生を突然終えたデニス・テン。彼の演技も笑顔も、もう見ることができないかと思うと心が痛む。ご冥福を祈りたい。