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ディープ1強に新種牡馬が挑戦状?
億超え続出のセレクトセール詳報。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2018/07/11 11:25
キタサンブラックの全弟は1億2500万円で落札された。セレクトセールに不景気という言葉はないようだ。
日本のバイヤーが外国勢に競り勝つ展開。
今年は、イギリス2000ギニー(日本の皐月賞にあたる)をサクソンウォリアー、フランスダービーをスタディオブマンが制するなど、ディープ産駒がヨーロッパで活躍していることもあり、外国人バイヤーの姿も目立った。
しかし、アメリカ在住のウィリアム・ギャロ氏が父スマートファルコンの牡馬「シラユキの2017」を3600万円、タイのクリット・チタセンニ氏が父ロードカナロアの牡馬「シャドウストリームの2017」を3200万円で落札した以外は、ほとんどが日本のバイヤーによる取り引きとなった。
「外国の方も競ってはいたのですが、高すぎて買えなかったようです。それでも、いらしていただいたのはよかったと思います」と吉田氏。
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前出のギャロ氏はJRAにも馬主登録しているのだが、世界一賞金の高い日本で走らせるという前提でなければ、手を出しづらいのだろう。
そう書いたそばから矛盾したことを言うようだが、「サトノ」の冠号で知られる里見治氏(名義は株式会社サトミホースカンパニー)は、この日1億8000万円で落札したディープ産駒の牡馬「ドバウィハイツの2017」をイギリスの厩舎に預けるプランも考えているという。
ドゥラメンテ、モーリスはかなりの高評価。
2日目の当歳馬セッションでは231頭が上場され、205頭が落札された。最高価格は父ディープインパクトの牡馬「リアアントニアの2018」で、里見オーナーにより2億9000万円で落札された。母はブリーダーズカップジュベナイルフィリーズの勝ち馬という超良血。栗東・池江泰寿厩舎に預けられる予定だ。
1歳馬同様、1億円オーバーの馬を種牡馬ごとに見ていくと、こうなる。
ディープインパクト産駒が5頭、キングカメハメハ産駒とハーツクライ産駒とロードカナロア産駒が2頭ずつ、ドゥラメンテ産駒、モーリス産駒、ブラックタイド産駒、ジャスタウェイ産駒、フランケル産駒が1頭ずつの16頭。
新種牡馬のドゥラメンテの産駒(20頭上場、19頭落札)とモーリスの産駒(14頭上場、13頭落札)が、初年度から高く評価されているのがわかる。ミッキーアイルの産駒も上場された4頭がすべて落札され、億超えこそ出なかったが、平均2950万円となかなかだった。