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ディープ1強に新種牡馬が挑戦状?
億超え続出のセレクトセール詳報。
posted2018/07/11 11:25
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Kyodo News
生後数カ月の愛らしい仔馬に数千万円、ときには1億円を超える値がつき、さらに競り上げられていく。高額馬の落札を告げるハンマーの音が響くと拍手が沸き起こる。そして、購入したオーナーは、「おめでとうございます」と、売り手以上に祝福される――。
日本最大の競走馬のセリ市「セレクトセール2018」が、7月9日(月)と10日(火)、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。
2日間で464頭が上場され、416頭が落札された。落札率は89.7%、落札総額は179億3200万円(税抜き、以下同)、1頭平均は4311万円と、いずれも過去最高を更新。1億円オーバーは39頭となり、昨年の32頭を上回った。
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2日とも雨に降られて肌寒かったのだが、セール会場は例年以上に活発なセリで熱く盛り上がった。
ディープ以外にも1億以上の産駒が次々。
初日の1歳馬セッションでは233頭が上場され、211頭が落札された。
最高価格は父ディープインパクトの牡馬「キングスローズの2017」で2億5000万円。「ダノン」の冠号で知られる野田順弘氏(名義は株式会社ダノックス)が落札した。
この馬を含め、23頭が1億円オーバーだった。これまでは億超えというとディープインパクト産駒ばかりが目立っていたが、今年は他の種牡馬の仔も高く評価された。1億オーバーの1歳馬の内訳は、次のようになる。
ディープインパクト産駒が11頭、キングカメハメハ産駒とハーツクライ産駒が4頭ずつ、ジャスタウェイ産駒、ブラックタイド産駒、アメリカンファラオ産駒、スクリーンヒーロー産駒が1頭ずつ。
それに関して、日本競走馬協会理事の吉田勝己ノーザンファーム代表はこう話す。
「今までと傾向が異なり、種牡馬はあまり関係なかったですね。ディープインパクト産駒ではなくても、馬がよければいい値段がつくようになった。健全なマーケットになったと言えますね」