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ベルギー戦後にオシムが喝破した、
日本代表のさらなる伸びしろ。
posted2018/07/07 09:00
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Getty Images
劇的な結末を迎えたベルギー戦について、イビチャ・オシムに2度電話で話を聞いた。最初は試合の直後、2度目はその3日後である。
喜びと悔しさ、ふたつが入り混じった複雑な感情を呼び起こした試合への思いは、悲しいながら根底に喜びと満足があるという点で、オシムも私たちと一緒だった。
ここに掲載するのは、試合直後に行われたインタビューである。
試合の興奮が冷めやらないなかで、オシムが日本サッカーを巡る状況についても冷静に分析していることがよくわかる(なお、長谷部誠の代表引退と、新しい代表監督をどう選べばいいのか、日本サッカーがこれから何を目指すべきかを語ったインタビューは、7月10日発売のナンバー臨時増刊号にその骨子を掲載しているので、そちらを参照していただきたい)。
「これで日本はどんな試合でも戦える」
――元気ですか?
「君らは運が良かった」
――メルシー、そう悪くない試合でしたが……こういう結果になりました。
「ああ、いい試合だった。本当に素晴らしかった。そして幸運なことにあなた方は、再び自分たちが勝てると信じられるようになった。これからの予選でもまた別の試合でも。これで……日本はどんな試合でも(自信を持って)戦える。本当に素晴らしいパフォーマンスだった。
今、私は決勝点となったゴールのリプレイを見ている。テレビでプロハスカ(=ヘルベルト・プロハスカ。元オーストリア代表の名選手)が解説しているが、ベルギーのプレーは素早かった。とりわけGKがそうで、デブライネがよく走って前線までボールを運んだ。彼を行かせてはならなかった」