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平昌五輪のフィギュアで疑惑の採点。
中国人ジャッジが処罰された裏事情。 

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byMenju Ryosuke/JMPA

posted2018/06/27 11:00

平昌五輪のフィギュアで疑惑の採点。中国人ジャッジが処罰された裏事情。<Number Web> photograph by Menju Ryosuke/JMPA

平昌五輪での男子シングルの表彰式。選手たちのためにも、より公正を期する防止策が望まれている。

ところが……今回の件に賛否両論の海外メディア。

 さて実はISUのこの処分、欧米のスケート専門メディアの反応は冷たい。

『ウォールストリートジャーナル』が「フィギュアスケート報道でもっとも信頼できる名前」と絶賛したアメリカのスケートライター、ジャッキー・ウォンは「処分をするなら、1カ国だけではなく全てのジャッジを平等にしないと」とツイッターに書き込み、ベテラン記者のフィリップ・ハーシュも「まったく同感」と賛同した。

 その裏には、実は平昌オリンピックでのこうしたバイアス疑惑のある採点は中国だけではなかったという事情がある。

 カナダのアイスダンスジャッジは、自国チームのライバルだったフランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロンに全ジャッジの中で最も低いスコアを与えている。もっとも最低スコアと最高スコアは全体の採点から削除されるため、直接的な影響はなかったとはいえ、カナダのテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイアは僅差でフランスを振り切って金メダルを獲得した。

 またNBCスポーツは男子シングルの採点で、「(自国選手贔屓なのは)彼女だけではない」としながらも、アメリカのジャッジが自国選手3人に極端に高いスコアを与えたことを指摘している。

 だがいずれのジャッジも処分されるには至っていない。なぜ中国のジャッジだけが、という声は内部関係者の中でも少なくないのである。

 今後ISUが、ジャッジのナショナルバイアスをどこまで取り締まっていくのか、注目される。

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