- #1
- #2
フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
号泣するワリエワ15歳に「理由を言いなさい!」と激怒…ロシアのコーチ・エテリの正体とは?「極度のマスコミ嫌いで謎が多い」
posted2022/02/18 17:04
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
JMPA
◆◆◆
泣き叫ぶトゥルソワ…異常な空気の決勝
なんという、異常な空気の女子決勝だったことか。最終結果が出た時、トップ3が待機するグリーンルームに座っていたのは1位のアンナ・シェルバコワと3位の坂本花織のみ。坂本が優勝が決まったシェルバコワを祝福しようとするが、彼女は気が付いていないのかうつろな目をして、まっすぐ前を向いたままだった。
金メダルが確定したのに、どのコーチもシェルバコワを祝福に来ないのは、4位に終わって号泣したカミラ・ワリエワの対応に追われていたのだろう。
マスコット贈呈式の準備をしている間、リンク際では2位のアレクサンドラ・トゥルソワが、顔をグシャグシャにして泣きながらロシア語で何かを叫び続けていた。訳してくれたロシア人の知人によると、こう叫んでいたという。
「みんな金メダルを持っている。みんな! ないのは私だけ! フィギュアスケートなんか大嫌い! 二度と氷の上になど上がらないわ! 絶対に!」
その後も贈呈式になど出ない、とコーチの一人セルゲイ・デュダコフに当たり散らした。ようやく姿を現したエテリ・トゥトベリーゼが肩を抱こうとすると、トゥルソワはその腕を振り払った。ついにロシアフィギュアスケート連盟会長のアレクサンドル・ゴルシコフが近づいて、彼女を落ち着かせた。
エテリ・トゥトベリーゼの生徒が女子の1位、2位を占めたのは4年前の平昌と同じ。フリー2位の選手がトップだったことも同じだ。
だがトゥルソワの態度は、4年前に潔く2位を受け入れたメドベデワとはほど遠く、スポーツマンとして見苦しいと言われても仕方のないものだった。