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平昌五輪のフィギュアで疑惑の採点。
中国人ジャッジが処罰された裏事情。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byMenju Ryosuke/JMPA

posted2018/06/27 11:00

平昌五輪のフィギュアで疑惑の採点。中国人ジャッジが処罰された裏事情。<Number Web> photograph by Menju Ryosuke/JMPA

平昌五輪での男子シングルの表彰式。選手たちのためにも、より公正を期する防止策が望まれている。

ジャッジの匿名制度が廃止されたために露呈。

「2016/2017年にジャッジの匿名制度が廃止されたため、どの国のジャッジが各選手をどのように採点したかということが一目でわかるようになった。そのため、バイアス採点が把握しやすくなったのです」と前述のISUメンバーが説明する。

 2018年6月にセビリアで開催されたISU総会で、バイアス採点に対する明確なルールが設置された。

 だが平昌オリンピックはこのルール設置以前のことで、他のISUメンバーの告発により懲戒委員会が動いたのだという。

やりすぎた中国ジャッジ。

 平昌オリンピックでボーヤン・ジンはSP、フリーともに良い演技を見せたが総合4位に終わった。

 中国ジャッジはSPではジンに羽生結弦に次いで2番目のスコアを与え、フリーでは全ジャッジの中でもっとも高いGOEと5コンポーネンツを与えた一方で、最終的に2位、3位だった宇野昌磨とスペインのハビエル・フェルナンデスには、全ジャッジ中もっとも低いスコアを与えている。

 またペアではやはり中国ジャッジがスイ&ハンに高い評価を与えた一方で、優勝したドイツのアリオナ・サフチェンコ&ブルーノ・マッソ、3位だったカナダのメーガン・デュハメル&エリック・ラドフォードに全ジャッジで最も低い評価を与えている。

 自国の選手に突出した高い点を与えただけでなく、ライバルとなる選手の評価を意図的に低くしたとして摘発されたのである。

 男子シングルのジャッジだったチェン・ウェイグアンは2年間のジャッジ資格停止と、2022年北京オリンピックのジャッジパネルに入ることを禁じられ、ペアのジャッジだったフアン・フェンは1年間の資格停止処分となった。

【次ページ】 ところが……今回の件に賛否両論の海外メディア。

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