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日本代表が2戦連続で見せた名勝負。
西野采配が当たるのには理由がある。

posted2018/06/25 11:45

 
日本代表が2戦連続で見せた名勝負。西野采配が当たるのには理由がある。<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

乾貴士の1点目は、長友佑都のランに柴崎岳のロングパスが合ったところから生まれた。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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Asami Enomoto/JMPA

 かくもスリリングな攻防を日本代表が演じるのは、いったいいつ以来だろう。セネガルに先制され、追いつき、突き放され、また追いついた。6月24日に行なわれたグループリーグ第2戦は、2-2のドローに終わった。

 勝点1を分け合ったのは同じでも、結果の受け止め方は対照的だ。

「正直に言って、みんなとてもがっかりしている。勝てると思っていたのに」

 こう話したのはセネガルの主将サディオ・マネである。指揮官アリウ・シセも、失望感を隠さなかった。

「もちろん残念に思っている。日本のほうがいいプレーをしていたのでは。今日はあまりにもミスが多かった」

 セネガルのあとで記者会見に臨んだ西野朗監督も、満足感に包まれていたわけではない。「相手のコンタクトやスピードに徐々に慣れていったので、これは好転していくという感じがあった。徐々に日本のほうが走れたし、ボールも動かせた。勝ち切りたかったという思いが当然ある」と悔しさを口にしながらも、「セネガルは非常にタフなチーム。次につながる内容と結果だった」と、自らを納得させるように話した。

乾の一撃で取り戻した自信。

 11分に先制点を奪われる展開は、シナリオとしてかなり悪い。それも、個人の判断ミスが重なったうえの失点である。このまま試合の流れを持っていかれる可能性はあり、実際に決定機をつかめないままセネガルにゴールを脅かされた。

 それだけに、34分の同点弾が価値を持つ。乾貴士の右足シュートはスコアをタイに戻すだけでなく、コロンビア撃破でつかんでいた自信を呼び覚ますものでもあった。

 前半を終えてロッカールームへ戻ってきた選手たちは、「自信に満ちていた」(西野監督)という。

 果たして、彼我の身体能力の違いが、後半は目に余るものでなくなっていく。セネガルがポーランド戦ほどの力強さを感じさせなかったところはあるが、逆説すれば日本は中4日でしっかりとコンディションを整えてきた。コンディショニングを誤ったブラジルW杯を教訓にしている、と言うことができるだろう。

【次ページ】 失いかけた流れを取り戻す2枚替え。

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