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NBAファイナルはアッサリと終了。
異次元だったKD、レブロンの握手。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2018/06/12 17:30
レブロン・ジェームズは孤軍奮闘でチームを支え続けたが、ウォリアーズから1勝をもぎ取ることはできなかった。
ウォリアーズ移籍はないだろうが……。
6番目にウォリアーズって……。それは絶対にないだろう、いくらなんでも。
一方、レイカーズ、ロケッツ、76ersのユニフォームを着たら、どのチームでも面白い。
レイカーズは再建途上だが、レブロンが加入することで、様々な化学反応が起きるはずだ。レブロンもイエローとパープルのユニフォームを着たいんじゃないかな。
ロケッツの場合、司令塔のクリス・ポールがFAになるので、その交渉の進捗状況にも影響される。ロケッツがポールとマキシマム・コントラクト(最大限、最高額での契約)を結んだ場合、レブロンに投資する予算は乏しくなる。
そして 76ersがいちばん興味深く、野心的な選択肢だ。若手の有望株が多くプレーしており、レブロンが指揮者としてタクトをふるうには最高の環境かもしれない。
さてさて、レブロンの決断は?
KD is just great.
勝者を後回しにしてしまって申し訳ないが、今季もウォリアーズのバスケットを十分に堪能した。
特に、カンファレンス決勝のロケッツ戦あたりから、チームのギアがトップに入り、“アンストッパブル・オフェンス”は最上のエンターテインメントだと、改めて感じた。
ステフィン・カリー、クレイ・トンプソンのスリーポイントシュートは相変わらずスリリングだったし、ドレイモンド・グリーンの闘志、アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストンらのいぶし銀のプレーも良かった。
しかし、KDことケビン・デュラントのパフォーマンスは傑出していた。歴代のNBAの大スターに匹敵するものだったと思う。
とにかくKDがシュートを打つとなると、「入る」と誰もが感じていたのではないか。特にファイナル第3戦での43点のパフォーマンスは圧倒的で、オクラホマシティ・サンダー時代、ウォリアーズ相手にちょっとばかり「チキン」なところをのぞかせていたKDとは似ても似つかぬ選手になった。
ちょっとばかり、マイケル・ジョーダンの姿がよぎったほどだった。
KDもFAになるが、ウォリアーズから離れるつもりはないようだ。つまり、来年もウォリアーズが本命ってことだ。