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ティーム相手に全仏4回戦敗退も、
心折れない錦織圭に見た完全復活。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byGetty Images
posted2018/06/04 11:20
クレーで躍進中のティーム相手に敗戦。とはいえ錦織圭は世界トップレベルに確実に戻ってきている。
テニスを楽しむ気持ちが戻っている。
「ちゃんとやれば、ちゃんと調子が戻れば大丈夫だと言い聞かせてやっていた」
「何もうまくいかない状況だったが、1ポイントずつじっくり戦おうと思って第3セットに入った」
この心の強さ、突破口をこじ開けようとする気持ちの粘りは、去年のチョン・ヒョンとの全仏3回戦、2日がかりのあの苦闘で、怒りにまかせてラケットをたたき折った錦織にはなかったものだ。コートを離れた半年の時間が、彼にテニスを楽しむ気持ちを思い出させたのだろう。
あまりの順調さに、すっかり忘れていたが、これは彼のグランドスラム復帰戦なのだった。この気持ちの強さ、試合後の悔しがり方なら、もう大丈夫だ。
復帰過程を終え、今の錦織は戦う男たちの集団に戻ってきた。グラスコートシーズンには、もう一段上のプレーが見られるだろう。