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打撃投手イチロー、華麗なるデビュー。
監督も絶賛するWIN-WINの関係とは? 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph byKyodo News

posted2018/06/10 08:00

打撃投手イチロー、華麗なるデビュー。監督も絶賛するWIN-WINの関係とは?<Number Web> photograph by Kyodo News

バッティングを知り尽くしたイチローが打撃投手を務めることは、どんな効果を生むのだろうか。

イチローとの「対戦」を打者たちは?

 世界最高峰の4367安打を放った選手だからこそ、打撃投手の重要性がわかる。フリー打撃は現役選手のためのものであり、自分のための練習ではない。イチ流の思いに頭が下がった。

 今回の打撃投手デビュー。発案者はスコット・サービス監督だった。指揮官は会長付き特別補佐となってからも常にトレーニングを続けている背番号51の姿を知っていた。

「試合中にケージの中で100球から200球を控え選手相手に投げていると聞いた。いい球を投げていると言うことも聞いた。10日くらい前にイチに打診したんだ。彼は準備万端だったと思うよ」

 イチロー打撃投手との対戦を味わった野手陣も贅沢極まりない至福の時間を楽しんだ。

「イチロー相手に打撃練習ができて嬉しかったよ。すごく打ちやすかった。その上にヒットも打つことができた。これはみんなに自慢できることだね」とは、マイク・ズニーノ。

 ベン・ギャメルは「すごく良かったよ。彼はいつも試合中にケージで練習をしているけど、打撃投手は誰でもできることじゃない。イチは何でも出来るんだよね」。

 評価は上々。イチローが気兼ねするようなことは何もなかった。

 更に。この日の試合では2回にギャメルが中前打を放つとズニーノが左翼へ131メートルの特大弾を放ち、昨季の世界一軍団を撃破。

「イチローには毎日投げてもらわなきゃ!」

 イチロー効果でマリナーズは地区首位を守った。試合後、サービス監督に聞いてみた。

「イチローは毎日、打撃投手で投げるべきじゃないですか?」

 指揮官は飛び切りの笑顔を見せ、答えた。

「そうだ、その通りだ! イチローには早出特打で毎日投げてもらわなきゃいけないな!」

 再登板決定。イチローのためにも、選手のためにもなる『WIN-WIN』の練習法が見つかった。

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