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アルゼンチン中が溺愛、カニーヒア。
ブロンド長髪と素朴さは当時のまま。 

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藤坂ガルシア千鶴

藤坂ガルシア千鶴Chizuru de Garcia

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photograph byGetty Images

posted2018/05/29 08:00

アルゼンチン中が溺愛、カニーヒア。ブロンド長髪と素朴さは当時のまま。<Number Web> photograph by Getty Images

今も長髪かつ金髪のカニーヒア(中央)。昨年1月、当時インテルでプレーしていたバネガ(右)、パラシオと。

「サッカーに幸運などないんだ」

『Pagina 12』紙のインタビューでは「サッカーに幸運などない」と断言。「よく『自分には運がなかった』などと言うヤツがいるけれど、思い通りに行かなかった原因は他にある。幸運ってのは宝くじで大金を当てること。サッカー界には存在しない」という言葉には、20年もの間アルゼンチンと欧州の1部リーグでプレーし続けるため、あらゆる努力と犠牲を惜しまなかった彼のプロ意識とプライドの高さが滲み出ている。

 現役時代、「風の子」は時に「pajaro(鳥)」と呼ばれることもあった。その愛称から、『Pagina 12』紙の見出しには「El Pajaro Canta Hasta Morir(鳥は死ぬまで鳴く)」の文字が綴られていた。これはオーストラリアの作家コリーン・マッカラの小説「ソーン・バーズ」のスペイン語タイトルと同じだが、歳を重ねてもなおクラウディオ・カニーヒアのままでい続ける彼を表現するのに、これ以上相応しい言葉は見当たらない。

「鳥」は、こうも鳴いている。それは、自身の哲学だ。

「人生はサッカーみたいなもの。ボールを転がしてみて、走ってみて、そこで初めて何かが起きるのさ」

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ディエゴ・マラドーナ
クラウディオ・カニーヒア

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