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日大アメフト反則問題の核心とは。
「誰も監督に説明を強制できない」 

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池田純

池田純Jun Ikeda

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posted2018/05/21 17:30

日大アメフト反則問題の核心とは。「誰も監督に説明を強制できない」<Number Web> photograph by Kyodo News

2017年12月には、日大を27年ぶりの甲子園ボウル優勝に導いた手腕の持ち主だったが……。

大学も、リーグも、真相究明を行えない。

 しかし、現状では誰も説明を強いることはできません。

 関西学院大が見解を求めていますが、それに応じるかは本人と大学次第。あり得ないとは思いますが、このまま何も明らかにせずに黙ったままでも、誰も強制的に発言を求めることはできません。

 もしアメリカだったら、こんなに中途半端な対応は許されないでしょう。

「NCAA」という団体があり、大学リーグの安全かつ健全な運営を担っています。そこには有名大学をはじめとする1200以上の大学が加盟しており、絶大な影響力と権威がある。NCAAが説明を求めたら、監督や大学は説明せざるを得ません。

 重要なポイントは、NCAAは各大学や各競技界とのしがらみがなく、意志決定や判断に主体性を持っているということ。

 チケットやグッズなどビジネス的側面も統率しており、大学スポーツで最上位の権威を持っています。だから、人間関係などに囚われず、何事もスムーズに進行できる。かつ、統制力が高い。

 今回のような事例があったら、3日以内には事実の説明が求められるでしょう。

常務理事、名門チームの監督に誰が強く当たれるのか。

 内田監督は日大の常務理事を務めています。さらにフェニックスは名門ですから、その監督ともなればアメフト界では大きな存在でしょう。そんな大人物の周辺にいる人が、何か強い進言をできるでしょうか。

 日本のスポーツは、各競技や各大学がタコツボ化してしまっています。内部の人間が上下関係や利害関係でつながり、高い地位を築いています。

 そのような組織には、必ずと言っていいほど“忖度”が生まれる。大学生アスリートや大学スポーツの発展以前に、偉い人に対する配慮が行われてしまう可能性がある。

 スポーツマンシップという言葉があるように、公明正大であるべき人々。そんな人々が結びつき、しがらみが生まれることで、正常な判断を失ってしまうのです。判断が内向きになってしまうのです。そうならざるを得ない“構造の問題”は、根深いです。

【次ページ】 内向きでタコツボ化した大学スポーツ。

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