Number ExBACK NUMBER
キンカメ勝利で、さんまさん土下座!?
杉本×草野×井崎のダービー裏話。
posted2018/05/22 08:00
text by
薦田岳史(Number編集部)Takeshi Komoda
photograph by
Takashi Shimizu
Number952号「日本ダービー特集」で実現した杉本清、草野仁、井崎脩五郎、3人のレジェンドによる平成ダービーを振り返る座談会。前日に誌面で収録できなかった「マル秘トーク」を特別公開しましたが、今回はその続きをお伝えします。スタートは怪物と呼ばれたあの三冠馬のエピソードです。
――続いて'94年のダービー。この年はナリタブライアンが圧倒的1番人気におされました。
井崎 でも僕の本命はエアダブリン。ナリタブライアンは皐月賞をレコード勝ちしたけど、ダービー前に10戦もしていて。いくらなんでもあの皐月賞がピークかなと。
杉本 南井克巳騎手に大久保正陽調教師が「南井くん、ダービーとってるか」と聞いて「いえ、まだです」と答えた。「じゃあ、この馬に乗ったら獲れるよ」と言って南井騎手に紹介したのがナリタブライアンだったという話は有名ですね。
でも、デビューしたころのブライアンは結構負けていて、シャドーロールをつけるようになってから走るようになった。実況する立場からするとナリタブライアンは白いシャドーロールが揺れているから、どこにいるかわかりやすかったですね。
ビワハヤヒデとの兄弟対決は……。
井崎 ブライアンは最初函館の1200mを使って、戻ってくるときに福島で走ったり、中1週で京都3歳Sに使ったりとすごいローテーションで走ってましたよね。ダービーを目指す馬の路程ではないなと思ったんですよねえ。
杉本 ブライアンの兄のビワハヤヒデが天皇賞・春を完勝した時に「兄貴も強い」と実況したんです。あのころはナリタブライアンばかり持ち上げられててね。その反発も少しあって。
草野 お兄ちゃんも大変強い馬でしたね。菊花賞も宝塚記念も制して。
杉本 兄弟対決がどこかで実現しないかと思ってたんですが、有馬記念はやめてくれと思ってた。