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羽生結弦の五輪連覇が火をつけた、
タカマツペア「自分たちも挑戦」。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2018/05/18 07:00
4月29日のアジア選手権女子ダブルスでは準優勝に終わるも「意味のある負けだった」と前向きに語った。
「松友と組まないなら自分はもうやめよう」
ひたむきに努力を重ねてきたことがにじみ出る人柄であるだけに、悩みとの向き合い方も深かった。
「松友とまた一緒にやるか、やらないか。松友と組まないなら自分はもうやめよう。イエスかノーか。それしか選択肢はないと思いました」
そこまで気持ちを固めたことを所属チームに伝え、昨年12月の全日本総合選手権後に松友と2人で話し合う時間を持った。こうしてたどり着いたのが、「もう一度、2人で金メダルを目指す」という道だったのである。
この話し合いは、松友にとっても気持ちを整理する区切りとなった。松友はこう話す。
「私自身も去年1年間はフラフラした中途半端な気持ちでした。その中でどうしたら良いのかと考えたときに出てきたのが、もう一度先輩と東京オリンピックで金メダルを取りたいという思いです。先輩とでなければここまで来られていない。先輩とでなければ次のオリンピックで金メダルは獲れない。そこへ向かっていくこともできない。そう思いました」
2018年、タカマツペアの成績は急上昇。
'18年。吹っ切れたタカマツは、コンスタントに結果を出すようになっている。
今年最初の試合だった1月16日からのマレーシア・マスターズではベスト8にとどまったが、翌週のインドネシア・マスターズで見事に優勝。2月のアジア団体選手権では、出場した全試合に勝って日本の優勝に貢献した。
3月の全英オープン(ベスト8)では松本麻佑・永原和可那組に、4月のアジア選手権(準優勝)では福島由紀・廣田彩花ペアに敗れた。出場した2大会で日本人ペアに連敗したという結果である。しかし、高橋はこの敗戦も前向きにとらえている。
「みんなが自分たちに向かってくるのは当たり前だと思うようになっています。それに、アジア選手権で負けたときは、自分たちが攻めている数は多かったし、ミスも攻めに行ってのミス。意味のある負けでした」