ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
父はダービー2勝の偉大なジョッキー。
大竹正博と相棒ブラストワンピース。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byYuji Takahashi
posted2018/05/09 07:00
中長距離を意識したローテーションで3連勝。ブラストワンピースは万全の状態でダービーに挑む。
東京の2400mでも一気に突き抜ける。
2戦目は東京芝2400mのゆりかもめ賞。
「顔の大きな馬なので見栄えを良くするようにシャドーロールを着けて」(大竹)挑むと、ファンは京成杯で3着だったイェッツトに次ぐ2番人気の支持で迎えた。
「折り合いは心配なかったので、距離に不安はありませんでした。ただ、道中はイェッツトに外から蓋をされるような形になっていたので、『嫌だなぁ……』と思いながらみていました」
ところが直線へ向くと、またも池添の思い切った騎乗が光ることになる。外へ行った1番人気馬に惑わされることなく、インへいざなうと、綺麗に進路を見つけて先頭に躍り出た。そして、あとは独擅場となった。
「一気に突き抜けたので、また驚かされました。こちらが考えていた以上に走る馬だと思いました」
速い流れへの対応力も3戦目で披露。
こうして3戦目の毎日杯に駒を進めると、初めて1番人気に支持された。このレースを前にして、大竹は次のようなコメントを出したと言う。
「過去の2戦が共にスローペースの上がりの競馬でした。とくにゆりかもめ賞は後方一気の競馬だったので、速い流れになった時にどのくらい対応できるのかを見たいと思っています」
スタート後、先行してみせた。
「謙一がコメントを読んでいたのではないでしょうか。こちらの意図を汲み取る競馬をしてくれました」
直線で最内を突くと、ラチに触れるような場面があった。
「逃げた馬が外へ行ったと思ったらまた内に戻ってきました。仕方なく内で一気に追ったらラチに触れるような感じになってしまったようです」
ヒヤッとする場面でもあり、そこだけは思惑と違ったかもしれない。しかし、それでも最終的にはゆうゆうと抜け出してみせた。
「過去2戦とは違う競馬になったけど、克服してくれたのは良かったです」