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石川遼はパーティー後に練習場へ。
多忙な会長生活と選手の両立法。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2018/04/19 07:00

石川遼はパーティー後に練習場へ。多忙な会長生活と選手の両立法。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

多忙な日々を送る石川遼だが、東建ホームメイトカップでは2位に入った。

時々出てしまう、右へ流れるショット。

 3人ほどの一般客がいた練習場で、石川は左端の打席を確保してクラブを振っていた。

「きょう、一発、出ちゃったんですよね」

 試合に向けた最終調整の場でもあるプロアマラウンドで、2番アイアンでボールを右に曲げたショットを悔やんでいた。

 この大会の前週、石川はツアーの試合ではない2日間競技で2連勝した。千葉で優勝した夜に名古屋まで移動し、翌日に始まった岐阜での試合にも勝った。最高の状態でこのツアー大会に臨んだかと思いきや、会場に入るなり状態が下降していることに気づいた。

 シルバーのアイアンが並ぶ彼のキャディバッグの中で、2番アイアンだけはヘッドもシャフトも黒い。250ヤード前後の距離を稼ぐこのクラブを黙々と打ち込むが、時折右サイドに流れていくショットが出る。

「これが気に入らないんですよ……」

「こんだけ打って、納得は一発だけ」

 苦虫を噛み潰したような顔をして、何度も素振りを繰り返し、また次のボールと正対する。

「たまたま良いボールがいくこともあるけれど、“たまたま”じゃダメだから。頭の中にある動きと、(実際の)スイングが一致しないと……。なんか、すごいギャップがある」

 30球近く続けて、吐き捨てた。

「こんだけ打って、納得いったの一発ですからね……」

 午後8時15分を回った頃、石川はクラブをドライバーに持ち替えた。自動のティアップ機能がない打席。手でボールをゴム製のティペグにセットする。

 躍動感のあるフルスイング。インパクトの瞬間、何かが爆発したような打球音が場内に響く。町場の練習場では屋根で反響するせいもあり、プロゴルファーのドライバーショットは、一般客が驚くほどの“騒音”になりうる。練習を見守っていたマネージャーとトレーナーも思わず、苦笑いで周りを見渡した。

【次ページ】 球数が増えても「……終わんねぇ」。

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