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Vリーグ、ビジネス化の課題って?
バレー界の人気者・高松卓矢の提言。
posted2018/04/18 11:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
AFLO
2018年3月24~25日、東京・大田区総合体育館にてバレーボール、Vリーグのオールスター戦が開催された。すべてのポジションの中で最多となる24708票を獲得し、1位に輝いたのは豊田合成トレフェルサの高松卓矢だった。
高松には全日本代表として世界選手権やワールドカップなど、三大大会と呼ばれる国際舞台に立った経験がない。しかし、躍動感のあるプレーと、サービス精神にあふれる陽気な性格で、ファンの心をがっちりとつかんでいる。
2017-18シーズンのV・プレミアリーグ男子大会優勝決定戦では、エースのイゴール・オムルチェンの故障離脱でピンチに陥ったチームを、熱いプレーで鼓舞し続けた。所属チームである豊田合成はもちろん、対戦相手のサポーターからも一目置かれる存在だ。
何より、オールスター戦のようなイベントは、今や高松の存在なくして成立しない。とにかく盛り上げる。高松の一挙手一投足に観客は皆、笑顔になる。「何をしたら来ている人を楽しませられるか」という真っ直ぐな思いが、高松の姿からは伝わってくる。
ファン参加イベントに積極的に参加。
ファン投票1位と知ったとき、どう思ったか聞くと、高松は「調子に乗っていると誤解されると困るんですけど」と前置きした上でこう語った。
「まぁ、そうなるよねって自分でも思いました、アハハ。それは、昨年までの流れがあるので……。よく聞かれるんですけど、僕はクリエーターではないので、あくまで『この日にこういうイベントがあるよ』と聞いたあとに、じゃあ、なにかやろうかなと考えて、流行っていることを下調べしています。その場の対応で、とっさにおもしろいことを言えるわけじゃないので、そこは事前の準備をきちんとしています」
きっかけは2015年に行われたVリーグ選手によるビーチバレーのイベント「サマーフェスティバル2015」だった。
試合の合間に行われた『マッチョコンテスト』で1位に輝き、そこでの言動が観客に受けた。その後、徐々に増えはじめたVリーガーによるファン参加型イベントにも積極的に参加し、お笑い芸人のギャグを真似るなど、毎回、来場者を楽しませてきた。