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登録抹消・SB千賀滉大への提言。
“横滑りのスライダー”一時中止を。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2018/04/11 10:30
今季は2試合に先発し10回2/3を投げ0勝1敗、防御率5.06と、不本意な成績が残っている。
開幕戦、第1球で自己最高球速。
3月30日、バファローズとの開幕戦。自身初の大役を務めた千賀は、本拠地ヤフオクドームでまばゆい輝きを放ってみせた。2018年の最初の1球で、まずは満員のスタンドを大いに沸かせたのだ。
157キロ。
自己最速をいきなり1キロ更新してみせた。
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「初めての開幕投手だし、力むのは最初から分かっていた。だから、力んで力んでいこうと決めていました」
2、3球目も157キロを計測した。
初回、2人目の打者にヒットを許したが、続く吉田正尚を二ゴロ併殺打に仕留めた。2回もフォアボールを1つ与えたが、次の打者をまたしてもゲッツーに打ち取った。
その後、球速は落ち着いたが、3番の吉田正や4番のロメロを迎えるとまた球速が上がった。場面によって自在にギアをチェンジする見事な投球術と、強靭なメンタルを披露してみせた。結局3回以降は、7回を投げきって交代するまで1人の走者も許さなかった。
ホークスは8回裏に先制。救援陣も完全リリーフで逃げ切って、打者27人斬りでの完封リレーを完成させた。千賀は試合後のお立ち台に呼ばれた。白星のつかなかった先発投手のヒーローインタビューは異例だったが、それに異論を挟むものなどいるはずもなかった。千賀は間違いなく開幕勝利の立役者だった。
横滑りするスライダーが原因?
それが次の登板、わずか1週間で事態は暗転した。
結局は、体が持たなかった。
では、なぜ千賀の右腕に変調が起きたのか。
これから述べるのはあくまで1つの説であり、断定をするものではない。だが、敢えて唱える。
せっかく横滑りするスライダーを新しくマスターしたのだが、投げるのをやめるべきではなかろうか。