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登録抹消・SB千賀滉大への提言。
“横滑りのスライダー”一時中止を。
posted2018/04/11 10:30
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
ホークスに今年も繰り返された悲劇。
開幕投手が早くも最前線から消えた。
育成出身として球界初の大役を務めた千賀滉大が、7日、出場選手登録を抹消された。前日のイーグルス戦で今季2度目の先発マウンドに上がった右腕は、仙台の冷たい雨に打たれながら、犬鷲打線にメッタ打ちを食らった。
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4回途中9安打6失点で降板。8三振を奪う意地こそ見せたが、交代後には「相手投手(則本昂大)の事を考えると先に失点してはいけなかったです。最低でも、初回の2点だけに抑えなければならなかった。ゲームを作れず野手の皆さんにも申し訳ないです」という力ないコメントが球団広報を通じて伝わってきた。
過去痛めたことのない右肘が。
昨年も和田毅が開幕から2戦を投げた直後に、左肘違和感を訴えて離脱した。一昨年は攝津正が3試合で0勝2敗、防御率9.42と結果を残せずに二軍落ちしており、3年連続でその年の先発ローテの軸を任されるはずだった開幕投手が、シーズンの序盤で戦列を離れてしまったのだった。
千賀は右肘周辺に張りを訴えたという。開幕前から不安視されていた。オープン戦最終登板(3月23日、カープ戦)で予定の半分ほどの3回48球を投げただけで緊急降板した際も、右上腕部分の張りを明らかにしていた。
過去に右肩を痛めたことはあったが、肘や上腕に妙な張りや違和感を覚えたことはこれまでに経験がなかった事態だ。
それでも2月の春季キャンプ中から大役に指名されていた右腕は「何があっても開幕のマウンドに上がる」と何とか間に合わせた。