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マスターズで敗者たちは何を得たか。
ファウラー、松山らが持ち帰るモノ。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byAFLO

posted2018/04/10 07:00

マスターズで敗者たちは何を得たか。ファウラー、松山らが持ち帰るモノ。<Number Web> photograph by AFLO

20代最後のマスターズで、大きな手応えを得たリッキー・ファウラー。彼を「敗者」と括ることは果たして正しいだろうか。

最終組で回ったマキロイ。

 2011年のマスターズで優勝に近づきながら最終日のバック9で崩れたローリー・マキロイは、今年のマスターズで7年ぶりに最終日最終組で回り、マスターズ初優勝と生涯グランドスラム達成を狙ったが、今回も勝者にはなれず、5位タイで4日間を終えた。

 その結果は明らかに敗北である。だが、それでもなおマキロイは「この7年間で少なくとも2回、優勝を狙える位置に僕自身を置き、戦ったことは来年につながる」と胸を張った。

 敗者たちは、みなそうやって勝利へ近づいていく。

しっかり予選を通過した松山英樹。

 日本のファンの期待を担う松山英樹も勝者にはなれなかった。優勝争いにもついに絡めず、19位で終戦。

 開幕前から自分に対する期待が「ゼロです」と言わざるを得ず、試合前の調整も「もっとできたと思うところもあるけど仕方ない」と準備万端でマスターズを迎えられなかったことは、優勝ではなく19位という結果から見れば「失敗なんじゃないですか」と松山自身が言った。

 2月のフェニックス・オープンで激痛が走った左手親指のケガは、その「失敗」とは「関係ないです」と松山は最初から最後まで頑なに関連性を否定した。

 とはいえ、ケガが原因でその後のマスターズまでのスケジュールが変わり、「球数は打てないですけど」と練習量や練習内容に変化が生じたことは事実。

 だが、松山は「ケガした時点で、マスターズまでのスケジュールなども考えてやってきた」と語気を強めた。アクシデントに見舞われた苦境の中で最善を尽くす努力を怠らなかった。

 1カ月半の欠場を経て3月のアーノルド・パーマー招待で復帰し、「悪い中でも予選通過して4日間できた」と、あのときも手ごたえを感じ取っていた。

 いざ、マスターズでは「できるんじゃないかな」という想いと、予選通過して4日間プレーできるだろうかという想いと、その両方の狭間で揺れていたが、それでもきっちり予選通過を果たした。

 開幕前にゼロだった期待は最後まで「期待できないまま終わりました」と苦笑していたが、「ショット、アプローチ、パターまで、すべてが悪い状況で、よく4日間できた」と自己評価。

【次ページ】 「よく頑張ったなと思います」

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