松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹が失った「満々の自信」。
全米OPの予選落ちとは何だったか。
posted2016/06/20 11:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Sonoko Funakoshi
松山英樹の全米オープンは、36ホールだけで終わってしまった。優勝候補の1人に挙げられ、日本からも世界からも期待を集めていた松山。そんな彼のスコアが雪だるまのように膨らんでいき、それとは反比例するように彼の自信が萎んでいった様子には悲愴感さえ漂った。
オークモントは初日から雷雨に見舞われ、サスペンデッドが3度もあった。その影響ですべてが大幅な不規則進行になり、初日にスタートすらできなかった松山は、2日目の金曜日に一気に36ホールを回ることになった。
そんな状況下でも出だしは悪くなかった。いや、むしろ好発進を切ったと言っていい。出だしの3ホールは前日に探ることができなかったコースの状態を探りながら、しっかりパーを拾い、慎重にスタートした。
そして、4番のパー5は見事2オンに成功。イーグルパットを沈めれば、わずか4ホールでいきなり4位に浮上。そんな先手必勝を地で行く絶好のチャンスを作り出し、イーグルパットこそ逃したものの、まずバーディーを奪った。
自分を信じていられたのはいつまでか。
だがその矢先、セカンドショットをグリーン左奥のバンカーに入れた5番でダブルボギー。それでもまだ1オーバーだ。1つバーディーを奪えば、イーブンパーに戻せる。まだ大丈夫。まだ挽回できる――。そう信じられたのはいつまでで、どこからは自分の挽回力が信じられなくなってしまったのか。
「それは……わからないです。だんだん、だんだん、うまくいかないことによって自信がなくなって、それを耐えきる力がなかった」
冷静なゴルフで巻き返すいつもの松山らしさは瞬く間に消え去り、9番、10番、13番、15番とボギーばかりが続いていった。
それでも短いパー4の17番ではドライバーで1オンを狙い、初めて攻めが報われて、バーディーを奪った。
これが流れを好転させるきっかけになってくれれば……。そんな期待を抱いたが、第2ラウンドに突入すると、出だしの10番でいきなりボギー。2時間ほど前にバーディーを奪ったあの17番でも、ラフから目の前のバンカーに入れてボギーを叩いた。
18番ではフェアウエイバンカーからの脱出に失敗して目の前のラフに入れ、グリーン周りでも手こずってダブルボギー。