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大谷翔平、漫画超えの完全試合未遂。
「人生で最高か」と聞かれて答えは?
posted2018/04/09 12:10
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
AFLO
二刀流でメジャーに挑戦しているロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が現地時間4月8日(日本時間9日)のオークランド・アスレチックス戦に2度目の先発登板を果たした。
いきなり三者連続三振でスタートを切ると打者19人に対して1人の走者も許さない完璧なピッチング。7回1死から2番打者のマーカス・セミエン内野手に左前安打を許して完全試合は逃したものの、この回を投げ切って1安打1四球の無失点でメジャー2勝目を挙げた。
漫画の世界が現実に起こっているように見えた。
いや、漫画だったらこんなストーリーはあまりにでき過ぎていて、逆に面白くもないのかもしれない。
打者として3試合連続ホームランの後は、投手としてあわや完全試合の快投劇。大谷の二刀流での快進撃は、メジャーの舞台でも止まる様子をまったく見せない。
「(チームが)昨日負けて1勝1敗で僕に回ってきたので、なんとか先制点取るまで1人、1人抑えたいなと思っていました」
ストレートと高速スプリットにスキなし。
快刀乱麻のピッチングの立ち上がりは、いきなりの奪三振ショーだった。
先頭のマット・ジョイス外野手をフルカウントから138キロのスプリットで空振り三振に仕留めると、2番のマーカス・セミエン内野手を154キロのフォーシームで、3番のジェッド・ローリー内野手は再び142キロの高速スプリットで3連続の空振り三振に仕留めた。
その後も150キロ台のフォーシームと140キロ前後の高速スプリットでオークランド打線につけいるスキを与えない快投が続いた。
「スプリットの精度によって組み立てが変わるんじゃないかと思うので、その日のスプリットの状態がポイントだと思う」
こう語っていたのは、メジャー初登板となった4月1日のアスレチックス戦に臨む前のタイミングだった。