スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
大谷翔平と同世代のライバル。
日本の天才と競うMLBの天才たち。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byAFLO
posted2018/04/07 08:00
打っても良し、投げても良し。大谷翔平とともにほかのメジャー有望株にも注目したい。
打者・大谷と比較できる選手は誰?
では、「打者大谷」と比較したい選手はだれだろうか。年齢が同じで、体型的に最も近いエリートはカルロス・コレア(193センチ/97キロ)だ。コレアは'15年にデビューし、3年間で399安打と66本塁打を放ってきた。苦手の球種が少なく、多方向に打ち分ける技術も高いため、故障さえなければ長期にわたって活躍が望める大型遊撃手だ。
左打者では、ナ・リーグにコーリー・シーガーがいる。年齢もデビュー年もコレアと同じで、3年間で385安打と52本塁打を積み上げてきた。体格はこれまた193センチ/99キロと、大谷やコレアに近い。打撃の確実性では、この選手が一番かもしれない。
大谷とは異なるタイプだが、フランシスコ・リンドーア('93年生まれ。180センチ/86キロ)やルーグネッド・オドーア('94年生まれ。180センチ/88キロ)も注目すべき選手だ。ふたりとも安打製造能力が高い。リンドーアは3年で482安打、60本塁打。オドーアは過去4年で499安打、88本塁打。
こういう曲者の動きも、大谷は参考にしたいところだ。典型的なローボール・ヒッターの大谷には、いずれ打法の改善やスイングの改良に直面する時期が訪れる気がする。そんなとき、同世代だが異質な選手の存在はかならずヒントになるはずだ。いま挙げた人たち以外にも、同い年の左打者ではアンドルー・ベニンテンディがいるし、右の巧打者トレイ・ターナーの存在も見落とせない。
大谷は今後、彼ら好選手としのぎを削っていくことになるだろう。彼らと伍して力強く戦う大谷の姿を、私は見てみたい。大谷ひとりに照明を当てるのではなく、同世代のライバルたちの動きに注目しつつ、彼のルーキーイヤーを楽しみたいと思う。