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今度はメジャー最強投手から2ラン!
大谷翔平「価値ある1本」の尊さ。
posted2018/04/05 11:55
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
AP/AFLO
大谷が価値ある2戦連発の本塁打を放った。
二刀流でメジャーに挑戦しているロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手(23)が、現地時間4月4日(日本時間同5日)のクリーブランド・インディアンス戦の5回、昨年のサイ・ヤング投手、コーリー・クルーバー投手からセンターオーバーの同点2ランを放った。
ホームデビューから2戦連発で本塁打を放ったルーキーはチーム史上初。
延長10回には中前安打を放ち、2戦連続のマルチ安打も記録した打者・大谷の快進撃が止まらない。
地元ファンの大きな声援を受けて登場した大谷。
2つの意味で価値ある一撃だった。
2点を追う5回の第2打席。エンゼルス打線はクルーバーの前に沈黙し、4回まで1人の走者も出すことができていなかった。
この回1死から6番のシモンズが三塁前にセーフティーバントを決めて、ようやく初めての走者が出た。
そして2死後だ。
「ショーヘイ・オオタニー」というコールにスタンドのボルテージが一気に上がる。前日の本拠地デビュー戦でいきなり名刺がわりの本塁打を放った23歳に、地元ファンの期待は一気に沸騰していった。
その中で大谷が決めた。
1ボール1ストライクからの3球目。クルーバーのやや外寄りのフォーシームを捉えた。
打球は大きな弧を描いてセンターにそびえるスタジアム名物の石の山「ロック・パイル」の方向にゆっくり伸びていった。
インディアンスの中堅手、ブラッドリー・ジマー外野手がゆっくりと追うが、打球が落ちてこない。最後はフェンスにへばりついてジャンプした上を超えて「ロック・パイル」へと飛び込んだ。