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もはや恐怖のレバンドフスキ劇場。
ドルト粉砕にルンメニゲすら苦笑い。 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2018/04/06 11:00

もはや恐怖のレバンドフスキ劇場。ドルト粉砕にルンメニゲすら苦笑い。<Number Web> photograph by Getty Images

古巣ドルトムントを蹴散らしたレバンドフスキ。FWとしての総合力は世界最高峰レベルに達している。

一瞬のキックフェイントに感じる技術。

 さあ、肝心の「デア・クラシカー」をじっくり観戦と思ったら、開始5分でレバンドフスキがいきなり先制! トーマス・ミュラーのスルーパスに抜け出した瞬間オフサイドか、と感じましたが、今季からリーガにも導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)はまったく反応しませんでした。

 それよりも、GKロマン・ビュルキが構える前で見せた、レバンドフスキの一瞬のキックフェイントに心を揺さぶられました。その体型から無骨な印象を受けますが、実はGKやDFのタイミングを外すシュート技術がすさまじく高い。

 このシーンでも単純にシュートを打っていれば、コースを限定していたビュルキのセーブに遭っていたかもしれません。「デア・クラシカー」での歴代得点ランク2位に並んだ瞬間、こちらの映像ではスタンド観戦するルンメニゲ代表取締役が、チームのエースを指して何やら苦笑いを浮かべているシーンが映し出されていました。

 14分には、ダビド・アラバのクロスからハメス・ロドリゲスがボレーを決めて2-0。ご存知のとおり、ハメスも日本がW杯で対戦するコロンビアの中心選手です。

古巣相手にきっちりハットトリック。

 ミュラーが追加点を奪い、44分にフランク・リベリーの突破からゴール前が混戦となり、レバンドフスキがプッシュして2点目。レバンドフスキは、こういうイーブンな状態での混戦でも俊敏な動きを見せます。結局、前半アディショナルタイムにもリベリーがゴールを決めて、バイエルンが5点の大量リードで折り返しました。ドルトムントのペーター・シュテーガー監督、髭が白いですが顔面も蒼白です。

 後半も“恐怖のレバンドフスキ劇場”は終わりません。87分、ドイツ代表のヨシュア・キミッヒのクロスをゴール前でコンタクトしてフィニッシュ。きっちりハットトリックで締めて、古巣に強烈な引導を渡しました。

 バイエルン、「デア・クラシカー」で6-0の大勝。

 この結果、バイエルンは次節アウクスブルク戦で勝利すれば、5試合を残して早くもマイスターシャーレ(ブンデスリーガ優勝トロフィー)の獲得が決まります。

【次ページ】 「こんなの、どうやって止めんだよ!」

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